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AAF2009報告会レポート

 去る11月14日(土)-15日(日)の2日間、東京都墨田区のアサヒ・アートスクウェアで、アサヒアートフェスティバル(AAF)2009の報告会に参加しました。
AAF2009報告会レポート_d0138443_155513.jpg
全国から土地の特色光るプログラムの報告を携えた団体が数多く参加するイベントです。

2月のプレゼン以来ですが、親子3人で今回も上京しました。

私たちのメインプロジェクトはつい半月前に終わったばかりでしたので、とても短い時間の中で準備して、整理してこの日に臨みました。


北からの発表順でしたので、我々の報告は早い時間帯に終わりました。初めて動画に挑戦してみましたが、うまく報告できたかわかりません。自分たちのプロジェクトのコンセプトや取り上げたアートへの理解や解釈をわかりやすい言葉にする(リテラシー)が試されます。
失敗も成功も、できるだけ正確に伝わるように心がけて発表しました。
AAF2009報告会レポート_d0138443_201237.jpg一方、団体ブースでは恒例の?交感書道です。今回も葉書で交感です。

全プロジェクトの報告の後では、地域間交流プログラムの報告もあり、今年の夏の青森研修の報告もさせてもらいました。

検証委員の指摘を聞くと、今年は「子供」「食」「医療(健康)」の共通したテーマが多くみられたとのこと。問題意識の向かう方向が、地域の特性を超えて、社会全体の不安を反映したものかもしれません。



2日目はレクチャーとシンポジウムに参加しました。
レクチャーでは最新のネット活用法とファンドマネジメントを学びましたが、午後からの迎える側の住民代表の方の貴重な話を聞くことができました。特に隠岐の神主さんの話された、「なぜアートでなければならないのか?」という問いかけに応えられる意識をもつ重要性を学ばせていただきました。
AAF2009報告会レポート_d0138443_204779.jpg2日目最後の円卓会議。

発言の場としては最後となるため、活発に議論が交わされました。
私もプロジェクトで得た街からのリアクションや自分自身の足元をストレートに話題の俎上に上げることで、個々の問題と普遍的な概念をつなげるように発言を投げ掛けてみました。

その議論を通して、アートが持つ新しい価値観の創出が、疲弊した地域社会を目覚めさせ変革を起こそうとする明確な方向性を皆さんが持って集まっていることがわかり、このフェスティバルに参加できてとてもうれしく感じた時間でした。


ところで、今回は事務局の皆さんが託児スペースを用意していただき、丸2日間プログラムの間ほとんど預かってもらいました。
AAF2009報告会レポート_d0138443_211152.jpg
なんとプロの保育士さんが付きっ切りで1歳半の面倒を見てくれました。(本当にありがたい!)
子育て世代がこういった活動をするにあたって一番の障害になっている部分にきちんと光を当てて、対応していただいたところに、このフェスティバルの人情味と意識の高さを感じました。


気がつけば2年もこの場所に通わせてもらって、いつの間にかこのネットワークの中に居場所ができていたようにも思います。

ぜひまたここに戻ってこようと思います。

Report by Kaiko
# by yatai_union | 2009-11-25 02:01 | 屋台日記

未来と記憶の幻想屋台報告:2日目

2日目となる11月25日は県知事選挙の投票日と重なりました。
駅前の再開発ビルも投票所のひとつで、一人でも多くの来場が期待できました。天候もやや肌寒いながら前日の雨も無事上がり、予定通りプログラムの開催となりました。

駅前広場では「思い出カフェ」と称して、この地域の過去と未来の「話を聞く場」づくりを目指し、薪ストーブや、美味しいコーヒーを用意して、直接この広場を利用する方々の生の声を集めることができました。

この広場は昨年の「駅前大野点」を開催した記念すべき場所。
駅前の交番のお巡りさんや、商店街のお店の方々も覚えていてくれました。


未来と記憶の幻想屋台報告:2日目_d0138443_2544086.jpg投票日とはいえ、休日はシャッターが降りているお店も多く、人通りはまばらでしたが、それでもこの即席のオープンカフェには年齢や職業など様々な人々が訪れ、希薄に見えてもこの空間に人が寄せる思いを感じることができました。


駅前から徒歩10分程離れた甲子公園でも複数のプログラムを実施しました。

「土と食の記憶〜コンニャク作り」では講師に地元の93歳になる日下ようさんをお迎えしました。今年収穫された蒟蒻イモを使って、参加者やスタッフと一緒に蒟蒻作りを学びました。

未来と記憶の幻想屋台報告:2日目_d0138443_2523524.jpgこの日はミキサーを使いましたが、本格的に作るにはお湯の中でおろし金で摩り下ろすそうです。
ところが、生イモを素手で触るとかぶれてとても痒くなります。ゴム手袋を用意し、ゆでたイモを使いましたが、それでも痒みが走ります。

ところが日下さんは素手だけで練っていきます。やはり年季が違いますね。

未来と記憶の幻想屋台報告:2日目_d0138443_2532777.jpg十分に練り終わったら凝固材の生石灰を加えて固めていきます。
これは素早く作業しないと、形のよい蒟蒻はできません。

固まったら包丁で切り、ストーブ屋台のお湯で煮てアク抜きをして出来上がり。
出来立てを早速試食しました。
プリプリとしっかりした歯ごたえがとても美味しかったです。


その傍らで盛り上がったのが「遊びの記憶屋台」の基地作りでした。
段ボールを組み合わせて自由に遊びますが、子供たちの歓声が上がるたびにどんどんその形は変わっていきます。


あるときはカマクラ風、あるいはガンダム風になったり、

茶の間ができて、離れができて、そこをつなぐ渡り廊下ができて、お店もできる。お店ごっこでは子供たちなりにルールを決めて、大人も一緒に切り盛り。
尺八の生演奏の飛び入りもありました。

未来と記憶の幻想屋台報告:2日目_d0138443_3143729.jpg小山田氏の発案で、今回段ボールを使うことになりましたが、安全性や子供の創造を促す無限の可能性、そして肌寒い季節でも暖かな段ボールが守ってくれる安心感。
公園に鎮座する巨大な遊具と対照的に、何度でも作っては壊すことのできる遊びは、現代の子供たちにも新鮮さと自由さをたっぷり味わってもらえたようです。

未来と記憶の幻想屋台報告:2日目_d0138443_315280.jpgさて、日も暮れ始めて再び駅前広場の様子です。
ここのカフェは町内で実際に営業している喫茶店の方が淹れた本格コーヒーが飲めました。昨年に続いての協力をいただきました。

未来と記憶の幻想屋台報告:2日目_d0138443_3152213.jpgコーヒーの他に、差し入れの焼き芋を焼いたり、火と食べ物という原始的かつ最小最強の共有スペースが生まれました。
初対面でも一緒に体験することでつながりあえる「暖かく美味しい食べ物」の力は絶大ですね。
正真正銘の屋台がかつてもっていた魅力のひとつですが、単なる飲食に留まらず、町の中に居場所と出会いを生む力もあったともいえましょう。
実際、火を囲む若者の中には家庭の殺風景な食卓を連想させる話をする者もいて、この現代においてはそういった心の連帯を生む場こそが求められていると痛感しました。

火を焚いて、焼き芋を食べているだけに見えて、この状況を作り出すことがアートに許された最大の成果かと思います。



Report by Kaiko
# by yatai_union | 2009-11-04 02:55 | 屋台日記

未来と記憶の幻想屋台報告:1日目

 朝10時に大河原駅前に集合。お天気は薄曇り。屋台の黒板を使って、小山田さんの青空レクチャーで幕開けです。これから歩くこの土地がどう成り立っているかを、遥か5億年の時間の尺度と地球レベルで解説。新鮮な目線を得ての街歩きスタートです。
未来と記憶の幻想屋台報告:1日目_d0138443_2385040.jpg歩き始めてすぐに優良物件を発見。
昔から残る材木屋さん。
木造倉庫の趣ある姿と廃品を使った塀が白眉。

未来と記憶の幻想屋台報告:1日目_d0138443_2415626.jpg「これは鉄ちゃんにはたまらんアイテムやろな」
枕木を再利用した駐車場の車止め。鉄道関連は再利用の宝庫だとか。
他にも木製の社名が枯れていい感じになった看板とか、
線路内のセイダカアワダチソウのお花畑を愛でたり、
宇宙船のようなドーム型温室を観察・・・。

出発してからわずか100mの距離に続々認定物件がざくざく。
このままでは全然先に進めへんで!と歩みを急ぐことに。

未来と記憶の幻想屋台報告:1日目_d0138443_2423424.jpg今回の「アーティストと歩く街歩き」には新しく発明?した「風景収集車」が活躍しました。これはイイ!と認定された物件をインスタントカメラでパシャ。地図にドンドン貼付けられていきます。情報が歩きながら足されていって、途中で会う人も経過を知ることができます。強引だけれど、人力学習型自走式タウンナビゲーションマシン、というところか。

地味ながらも、かなり目を引きます。こんなにあからさまに街歩きを表明している装置はないかも。

参加者の荷物も積めるところもナイス。

未来と記憶の幻想屋台報告:1日目_d0138443_2431184.jpg歩けば、初めて見る街の顔の一面との出会いがある。

忘れ去られたような石碑や石仏には、当時の人々の切実な願いや祈りが息づいています。




未来と記憶の幻想屋台報告:1日目_d0138443_2443034.jpg途中参加者を加えて、午後も足取りは軽い。
ここは町内最古?の石倉。かつては備蓄用の米穀を納めていたという。その明かり取り窓には菊の紋章。富国強兵の時代に国策として作られたのでは?というのは小山田さんの説。

今は町保有の資材倉庫となっているんだそうです。

未来と記憶の幻想屋台報告:1日目_d0138443_245235.jpgみんなで楽しく墓巡り。
町を一望できる丘の上の町営墓地です。頂上に並ぶ名家の墓石も見事ですが、新しい感覚で自己表現された墓石も興味深い。
この土地にルーツを求める人にとっての聖地、あるいは始発駅であり終着駅なのかも知れない。

未来と記憶の幻想屋台報告:1日目_d0138443_38475.jpg町歩き隊は路地が大好き。リヤカーを同伴していることもあり、交通量が少ない道を選ぶと必然的に道は細い方になってしまいます。また路地は街の暮らしの生き生きとした顔がよく見えるところなのです。・・・が、これは狭すぎました!
屋台の幅ギリギリの路地、というより通路。途中手で担ぎ上げて、なんとかクリア!
この日、最大の山場だったかも知れません。

未来と記憶の幻想屋台報告:1日目_d0138443_395773.jpg終了予定の午後3時に駅前に戻ってきました。

未来と記憶の幻想屋台報告:1日目_d0138443_3104470.jpg明日のイベントに備え、雨の中スタードームを組み立てます。
(2日目につづく)
Report by Kaiko
# by yatai_union | 2009-11-04 02:46 | 屋台日記

「未来と記憶の幻想屋台」開催!

アート屋台プロジェクトin仙南2009「未来と記憶の幻想屋台」

「スケッチ片手に、ココロの街へ出かけよう!」
「未来と記憶の幻想屋台」開催!_d0138443_11174827.jpg

「街」ってなんだろう?

人や物が出入りして、働いたり暮らしたり、
時には大きく形を変え、栄えたりしぼんだりする、まるで生き物のような「街」。
本当にいつまでも変わらないのは記憶や願いとか、

一人一人のココロの中に息づいている「街」かもしれない。
おじいちゃんの見てきた街と、お姉ちゃんの感じている街はきっと違うよね。
たまには他の誰かのココロの街を見てみよう。

このプロジェクトは・・・目には見えない、街に眠る無数のストーリーを紡ぎだし未来へとつなぐ試みです。


[プログラム]
10月24日(土)
「未来と記憶の幻想屋台」開催!_d0138443_1218626.jpg
・街歩きアート探検
[時 間]10:00/13:00
[場 所]駅前広場集合 <地図
[参加料]無料(先着申込順20名)
[内 容]アーティスト小山田徹さんと行く街のぶらり歩き。「風景収集狂者」である氏独自の視線で、街を歩いてみませんか?気になるモノ・コト・ヒトを集める「記憶収集車」と共に巡ります。疲れたら焚き火を囲んでお茶を一服。きっと見慣れた街が新鮮な世界に生まれ変わります。(雨天時25日に順延)



10月25日(日)
「未来と記憶の幻想屋台」開催!_d0138443_12201615.jpg
・ 思い出カフェ屋台
[時 間]10:00〜日没
[会 場]駅前広場 <地図
[内 容]駅前というみんなの場所に眠る記憶を掘り起こすオープンカフェ。本格珈琲・ドリンクが楽しみながら、記憶と未来への想いを明日へ紡いでいくプロジェクト。大きな竹のドームが駅前に出現。街歩きの情報と記録も重なり、あなたのまだ知らない大河原が見えてくるかも。
参加協力者には特典あり。(雨天時オーガに会場変更)



「未来と記憶の幻想屋台」開催!_d0138443_12214196.jpg
・ 遊びの記憶屋台
[時 間]11:00頃〜日没
[会 場]甲子公園 <地図
[参加料]無料(自由参加可)
[監 修]小山田 徹(美術家)
[内 容]子供の時の遊び覚えていますか?今では廃れてしまった当時の遊びを皆で考え、再現するプロジェクト。身近な材料での基地作りも同時進行。ぜひお子さんとご一緒に!(雨天時中止)



「未来と記憶の幻想屋台」開催!_d0138443_385497.jpg
・ 土と食の記憶「手作りコンニャク体験試食会」
[時 間]13:00〜14:00
[会 場]甲子公園 <地図
[講 師]日下よう さん(角田市在住93歳)
[参加料]300円(先着申込順10名※見学可)
[内 容]昔から伝わる作り方で生芋からコンニャクを作ります。食にまつわる体験をゆで立ての絶品コンニャクを味わいながら聞くワークショップ。(雨天時、オーガ内に会場変更)



<アーティスト・団体紹介>
小山田 徹 Koyamada Toru/美術家。風景収集狂者
1961年鹿児島に生まれる。84年、大学在学中に友人たちとパフォーマンスグループ「ダムタイプ」を結成。おもに企画構成、舞台美術を担当し、国内外の数多くの公演に参加する。ダムタイプの活動と平行して90年から、さまざまな共有空間の開発を始め、コミュニティセンター「アートスケープ」「ウィークエンドカフェ」「コモンカフェ」「祈る人屋台」などの企画をおこなうほか、コミュニティカフェである「Bazaar Cafe」の立ち上げに参加。現在は、それらの活動を通じて集まったさまざまな分野の友人たちと造作施工集団を作り、共有空間の開発をおこなっている。

仙南アート屋台連合 SAYPEC
2007年結成。アート屋台プロジェクトにおける現場第一主義の制作集団。魅力ある場「屋台」を街に生みだし、人と人の創造的な新しい関係を生みだすことを目的とする。えずこホールを拠点に、地域に関わる一般住民からクリエータまで個性豊かなメンバーで構成されている。

<注意書き>
開催の内容は当日変更する場合があります。詳しくはこちら公式ブログを随時ご参照ください。
また、今回の町の記憶を記録映像として、お断りして取材・録画させていただく場合があります。予めご了承ください。
「未来と記憶の幻想屋台」開催!_d0138443_12262261.jpg

ボランティアスタッフ絶賛募集中!

主催/アート屋台プロジェクト実行委員会
共催/仙南芸術文化センター(えずこホール)
後援/大河原町
特別協賛/アサヒビール株式会社
協賛/津田印刷
助成/アサヒビール芸術文化財団、大河原町「元気なまちづくり活動事業」助成
協力/海建築事務所、マーブル、居酒屋くじら

問合せ/申込先 090-8922-6192(カイコ)まで
# by yatai_union | 2009-10-17 11:19 | お知らせ

交感書道屋台のビデオ

仙台「アートで屋台」でも大好評の交感書道屋台。
ようやく説明ビデオをアップしました。

去年の9月にアサヒアートフェスティバル地域交流プログラムで福島県いわき市を訪れた1年前の映像です。
アートイベントArtPortOnahama2008の実行委員会の方々との交流と対話の中で、このプログラムが発明されました。
単独としても、あるいはさまざまな催事とも連携できる柔軟性があり、無料あるいは低料金かつ簡単なルールで手軽に人と人を結びつける効力もあるプログラムになっていて、現在も進化中です。
私個人の造語ですが、Viral Art(バイラルアート)=感染型アートという言葉を当てはめたいと思います。
あなたの街でもいかが?

[現ルール]
白うちわ(またはハガキ)に自分を表す好きな言葉1字を書き、自分の団扇を残して、心にひっかかった他の人の書いた団扇を持ち帰る。
言葉1字は、基本は漢字1字、英単語、ひらがな可。
自分や子供が書いたものは原則持ち帰られない。

Report by Kaiko
# by yatai_union | 2009-10-10 12:47 | お知らせ


宮城県南部を拠点とし、あらゆる境界を乗り越え、ちょっと変わった切り口で町を楽しいステージに変えていく現場第一主義の企画集団、アート屋台プロジェクト実行委員会の公式ブログです。


by yatai_union

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