東京視察:AAF2010報告会や墨東まち見世など

先週末、関わりのある東京で開催されたいくつかのイベントを視察してきました。
ひとつはAAF2010の報告会
もうひとつはすぐ近所の向島界隈で開かれていた墨東まち見世です。

ちなみに2008年から参加させていただいているAAFとは、以下の趣旨で展開されている全国フェスティバルです。
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アサヒアートフェスティバル(AAF)とは

[その考え方と方法]
地域の未来を切り拓くきっかけを創る

アートと社会をつなぎ、その双方に働きかけるAAFは、時代や社会の変化に対して敏感に反応します。

とくに近年の生活環境が画一化し、地域コミュニティが崩壊し、そして地域が疲弊していることは、取り組むべき課題です。
アートには、課題の核心を直観的に見抜いたり、忘れられた可能性を発見したり、切断された人々の絆を回復することで、地域再生に必要な創造性を生み出す力があります。
アートが、地域の未来を切り拓けると確信するのです。
AAFは、これまでに培ってきた人的、地域的ネットワークを活用し、地域の未来を切り拓く役割を担っていきます。


[運営の方法そのものが、ひとつの社会実験]
AAFは、誰でもが参加できる、水平的で開かれた運営方法をとっています。

自発的な意思で(ボランタリーに)全体の運営に参加したい人は、誰でもAAF実行委員会に参加できます。
実行委員会で、運営について議論し合意形成をはかっています。

また、アート・プロジェクトを立ち上げ、応募することもできます。
さらに、全国のプロジェクトの運営に、ボランティアとして参加するのも大歓迎です。
AAFは、市民自治に基づく、自立とネットワークが、地域再生にとって不可欠だと考えています。
この手法によって、市民自らが自発的に担う公共領域を拡大し、地域再生の着実な成果を生み出してまいります。

公式ホームページからの転載)


来年で10年を迎えるそうですが、今年はネットワーク団体として関わり、内外から参加してみて大きな変換点に差し掛かっていることも肌で感じれました。

我々も単に参加する側から、実行委員としてAAFを創造していく側に意識を転換できたことも大きな変化があったように思います。
大企業が助成し、メディアによってピックアップされることで、市民による地域文化の育成や社会問題を顕在化させるという「垂直方向」の力に加え、その後は参加団体が交流し、フェスティバルそのものの方向を創造していく自治性を尊重する、いわば「水平方向」の力が芽生えました。
フェスティバルが定形化し、またネットワーク団体というAAFに参加した団体が資産として増えていくに連れて「垂直」と「水平」という構造的なズレが話題にもなりますが、これはAAFネットワークというまた別の仕組みが育ち、専門家が質と先駆的事例を選考するフェスティバルと分化し、連携関係に発展する予兆と私は見ています。
きっとAAFを卒業したネットワーク団体の中の意識的な委員がそれを担うことになるでしょう。
なぜならば、AAFというおおきな学校で学んだ「人」こそが本当の資産であるからです。
そして常に時代や人の力で変化していける自在さこそがAAFの大きな魅力であり、存在意義だと思うのです。
今後、フェスティバルとネットワークという関わりながら性格の違う仕組みが、より大きな社会というものをテコの様に動かす存在になっていく大きな可能性を、わずかな滞在でしたが会場の空気から感じることができました。

一方、墨東まち見世の方は、8月の沖縄のコザクロッシング2010で親交の生まれた建築家Titus Spreeさんの「子まちづくり」をこの目で見るのが目的でした。
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ティトゥス・スプリーさんは、沖縄で製作した大きな提灯形のブランコがとても印象に残る作品で、子供の遊び場をどう創造的に運営するのが良いか共通の考えの持ち主でした。
しかも代表作が「屋台」と知ってはそのワークショップが気にならないはずがありません。

実際2日間にわたって向島の現場を見て、ご自身も10年来住んでいるこの町への深い愛情を感じました。
ワークショップはとても自然な形で子どもたちが集まり、ご近所の家族連れが近くの広場でまるで花見のようにシートを広げ食事をしていたり、と非日常なのか日常なのかよくわからないけど、とても幸せな気持ちの良い場が誘発され生まれている。
僕らも2歳の娘とベンチに座っていると、すぐ目の前の家から白髪のおばあちゃんがでてきて「これ食べなよ!」とプリンを頂いたり、誰のものか分からない三輪車を使わせてもらったり、と初めて訪れた街なのに親しみすら感じました。

「子みせづくり」には「冒険遊び場」の様に子どもの主体性を尊重した同種の「遊び場」に見えますが、郊外や隔離された園内などに作られる「冒険遊び場」と大きな違いがあるとすれば地域の大人たちとアイコンタクトがとれる状況ではないでしょうか。
公式ブログで述べられている「遊び場は生活圏内にあるべき」というのは、まさしくそのことではないか。そして何よりも子どもを見つめる愛情あふれる彼の視線が雄弁に語っていました。

少し遠くまでこのエリアを歩いてみましたが、高齢化や過疎化、防災や再開発事業との摩擦など地域が抱える問題は多くありながら、住民の「生活の花」の彩りが力強く息づいている。
規模が大きすぎてスタッフ間の連携に人手不足を感じたところもありましたが、その土地の空気をじんわり味わえたイベントでした。

帰り道、個人的な用事で新三郷のイケアに立ち寄った際、ハイセンスな品揃えと楽しい店作りに感心して大きな店舗の中を巡りましたが、最後の商品をピックアップする壮大な倉庫空間に軽くショックを受けました。
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グローバリゼーションと物流の壮大な歯車の中に紛れ込んだような気分でした。

東京のアート関係者や下町の人々が織り成す親密な場とまるで対峙するような空間。
この2極の間に現代の私達は立っている。
そのコントラストにたちくらみを覚えながら、東北への帰路につきました。

Report by 海子揮一
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by yatai_union | 2010-11-23 12:25 | 屋台日記


宮城県南部を拠点とし、あらゆる境界を乗り越え、ちょっと変わった切り口で町を楽しいステージに変えていく現場第一主義の企画集団、アート屋台プロジェクト実行委員会の公式ブログです。


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